

エッセイ「エスプレッソは分給3分」
ショッピングモール
大型ショッピングモールのソファーでお弁当を食べている女性がいました。
とても綺麗で上品に食べており、お弁当も手作りのようで
そこで食事をしている人を見るのは久しぶりでなんだか懐かしくなりました。
しかしこの時期にわざわざお店のソファーで食事をしているのは何か事情がありそうです。
- 急に仕事がなくなったのか?それならモールの従業員の休憩室があるか。
- あるいは学生で講義が休講になったのか?それなら学食が空いているか。
- とにかくお腹が空いたのか?はたまたフードファイターとか?
そんなことを考えながら私はその女性と背中合わせで座っている。
その背もたれはとても低くかなり近くに座っている感覚
エスプレッソ
私はエスプレッソを飲みながら穂村弘さんのエッセイを読み面白くてくすくす笑ってしまう。
しかし後ろの女性になんだか悪いような。
このエスプレッソは従業員用の少し安い自動販売機で買っており、さらにいま半額なので50円で買っている。
分給にして約3分の労働で飲めるのだからお得だ。
飲み干すとき首を90度曲げて最後の一滴までいきたいのだが後ろの女性に頭突きしてしまいそうでできない。
不思議なことに飲み干すときの姿勢は前傾姿勢では不可能で、思い切り仰け反ることが必須条件である。
分給ならぬ秒給で考えると最後の一滴は180秒目の労働と対価だと思うので、やはりここは飲み干したい
結果的に立ち上がったついでに自然に飲み干すと云う名案を思いつき、実行し、成功し、振り返ると女性は既にいませんでした。
さまぁ〜ず
この出来事を大竹さんだったらもっと面白く話せるんだろうなぁ
三村さんはもっとほのぼの話して引き付けるようにできるんだろうなぁ
芸人はすごい。どんなに急でも、どんなに疲れていても面白いことができる、云えるなんて。
きのう仕事終わりに帰る準備をしていると、本屋らしからぬ巨大なダンボールを二人がかりで運んできて、それを見ていた主婦のかたが私に「あれ何だろうね?」と訊くので
「...テレビですかね?」と云った
家に帰り夕飯を食べながら、自分の笑いのセンスの無さに落ち込みました。
どんなに急でも、疲れていても、大きなダンボール見てテレビなんて普通すぎるし、何より全然面白くない。
なんて云えばよかったんだろ?
「本マグロですかね?」とか云えば素人ながらセンスあると思ってくれたのかな?
あとがき
それでも分給にしてたった3分で様々なことを考える機会があるのだからやはり得をした気分になる。
その約1分をこぼした時↓の悲しみも取り戻せたような。
いま思えばこの穂村さんのエッセイ↑の一番最初のタイトルも「エスプレッソ」でした!
私が飲んでたのはエスプレッソじゃなくてカプチーノだったかも!笑

